約400年前、大坂城を修築するための石垣は、巨岩が多い小豆島の採石場から切り出し船で運びました。小海(おみ)地区には使われずに残された石垣石(残石)があり、県指定史跡となっています。この公園はその西隣に整備され、1999年に開園しました。
約40個の残石や石工が使用した工具や古文書などが展示されている資料館があり、当時の石工技術や歴史を学ぶことができます。
2020年5月には、香川県丸亀市、土庄町、小豆島町、岡山県笠岡市がせとうち備讃諸島の日本遺産に認定され、注目が高まっています。
土庄町内には同じ名前の王子神社がありますが、この小海(おみ)地区にある王子神社は、古くから農村歌舞伎や相撲など、地元の催事と深い関わりを持つ神社でした。境内のほぼ中央には本殿があり、見事な社叢で囲まれています。
社叢はクスノキ、ウラジロガシ、ヒメユズリハ、コガノキ、ヤブニッケイ、ヤブツバキ等、暖温帯性の常緑広葉樹林に囲まれた雰囲気は壮観です。1972年5月23日には、自然度の高い貴重な社叢として、県天然記念物に指定されました。
なお、農村歌舞伎の舞台や当時の資料は火災によって燃えてしまい、現存していません。
高さ12m、滝口2m。滝付近には堂庵や寺跡があり、滝の前には力強い不動明王像があります。この独特な景観と、滝からの小海地区を一望できる景色はまさに風光明媚といえます。もともとは小豆島八十八箇所霊場の一つである雲胡庵の門前に「鳴滝不動参道」がありましたが、道が崩壊したため、従来の参道からの通行禁止になっています。
鳴滝は現在まで、地元住民の憩いの場として、親しまれており、その名前の由来は、その漠音が麓まで響き渡るところから名づけられたと言われています。
王子神社社叢(しゃそう)にあった農村歌舞伎舞台を大坂城残石記念公園で再建し、その中に土庄町指定文化財である歌舞伎衣装や小海地区の祭礼である「伊喜末(いぎすえ)八幡神社例大祭」で使われる山車が展示されています。
なお、山車は2024年から新しく建設される自治会館(公民館)へ移設予定です。
小豆島とそうめんの歴史は古く、約400年前、小豆島池田村の人が三輪(奈良県)に立ち寄った際、そうめんの製造技術を学び、小豆島に持ち帰ったのが始まりと言われています。
小豆島は、小麦の栽培に適した気候や瀬戸内海の塩、そうめん作りに必要なごま油が豊富にとれるなど、小豆島はそうめん作りに最適な気候風土です。
この環境で生まれた小豆島の手延べそうめんは、奈良県「三輪そうめん」、兵庫県「揖保乃糸」に並ぶ日本三大素麺の一つとなっています。
希望の方には、ツアーオプションとして流しそうめん、冬季にはにゅう麺セットを付けることができます。